1. 発毛剤・育毛剤・ヘアトニックについて
髪を早く伸ばしたい、頭髪が薄くなってきた、枕につく抜け毛が目立ったきたなど、育毛剤を使用することになるきっかけと理由は人さまざまです。
このような時に、どのような育毛剤を選べば良いのか、思案してしまう方もいらっしゃると思います。
男性の脱毛症はAGAと呼ばれ、男性型脱毛症とも呼ばれています。
2. 抜け毛・AGA(男性脱毛症)の原因
1) 亜鉛不足
男女関係なく薄毛の原因として、亜鉛不足が大きな原因の一つとされています。亜鉛が不足すると、髪の毛の成長が遅くなったり、細くなり抜け毛や切れ毛を起こしやすくなります。
対策として、積極的に亜鉛が多く含まれる食品を摂取していきましょう。
2) 男性ホルモンによる抜け毛
男性ホルモンの分泌が多いと、抜け毛・薄毛の原因となります。
男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼによって、DHT(ジヒドロテストステロン)という強力なホルモンに代謝されるのが原因です。
テストステロンは、筋肉量を増やしたり、性欲を増進するなどの作用はありますが、直接的に脱毛を促進する作用はありません。そしてDHTもまた、思春期までの男性器の成長に欠かせないホルモンでもあります。
3) 生活環境の乱れ
食生活の乱れや、大きなストレスが原因でホルモンバランスが乱れると、AGAの要因を作り出してしまいます。これは、ホルモンバランスの乱れから起こる症状です。
4) 女性の場合
女性の場合は、主に更年期による抜け毛がほとんどだとされています。そのほか、冷え性、紫外線なども抜け毛の原因となります。
更年期による抜け毛の要因は、髪の毛の成長を促進する働きを持つエストロゲン(女性ホルモン)が減少することによって、引き起こされます。
5)AGAのメカニズム
1:テストステロンが5α-リダクターゼによって、DHT(ジヒドロテストステロン)という強力なホルモンに代謝されてしまいます。
2:DHT(ジヒドロテストステロン)が細胞内の受容体と統合して、「TGF-β」を作り出してしまいます。
3:「TGF-β」が「FGF-5」に脱毛シグナルを伝達してしまいます。
4:「FGF-5」が毛乳頭や毛母細胞に、髪を抜け出す指令を伝達してしまいます。
5:成長期が大幅に狂い始め、ヘアサイクルが乱れてAGAを引き起こしてしまういます。
3. AGA・脱毛症状の改善対策 その1:発毛剤
1)発毛剤とは?
発毛剤は、育毛トニックや育毛剤と違い医薬品となります。
直接発毛に作用し、新しい毛を誘導する効果が認められているため、育毛剤より効果が強いといえます。発毛剤には、新しい毛を生やす発毛効果、今ある毛をさらに丈夫に育てる育毛効果、抜け毛を防ぐ脱毛予防効果があります。
AGA治療に使用されている、代表的な主成分はミノキシジルとフィナステリド系の医薬品です。
この2種類の治療薬には、内服薬と外用薬の両方のお薬があります。
内服薬の場合は血液に吸収され毛根まで運ばれ、ジヒドロテストステロンを作り出す5α-リダクターゼを抑制します。毛母細胞の働きの妨げとなる、ジヒドロテストステロンが発生されなくなるため、髪の成長の妨げを取り除いてくれます。
外用薬の場合は、頭皮より毛根にフィナステリドやミノキシジルが直接浸透し、内服薬と同様の効果を発揮します。
2) ミノキシジル
ミノキシジルは、もともと高血圧の治療のために血管拡張剤として使用されていました。
臨床実験によって、発毛効果が認められたことがきっかけに発毛剤として使用されるようになりました。
3) フィナステリド
フィナステリド系の医薬品は(プロペシアなど他)、テストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に転換されるのを制圧する作用があります。
前立腺肥大の治療に使用されていた成分フィナステリドに、DHT(ジヒドロテストステロン)を阻害して予防する効果があることが判明し、AGA(男性脱毛症)における治療薬の成分として認証されました。
臨床試験では約90%の人に、抜け毛の進行を遅らせる効果が認められています。
4) ミノキシジルとフィナステリドの違い
フィナステリドは薄毛の原因に直接働きかけ、薄毛の進行を遅らせるための治療薬です。
ミノキシジルは、毛周期にある休止期を短縮することで、増毛を促します。
ミノキシジルとフィナステリドの併用で、ほとんどのタイプの薄毛に効果が表われるといえるでしょう。
5)ミノキシジルとフィナステリドの副作用
ミノキシジルの主な副作用として、薬液使用部分のニキビ・頭痛・むくみなどがあげられます。フィナステリドでは、性欲減退・射精障害・発疹などが報告されています。
4. AGA・脱毛症状の改善対策 その2:育毛剤
発毛促進効果のある成分が、一定量含まれてます。
育毛剤の効果としては、新しい毛が生えるのを補助する発毛促進効果、今ある毛を丈夫に育てる育毛効果、抜け毛を防ぐ脱毛予防効果などがあります。
育毛剤は発毛をサポートする効果がある医薬部外品です。
主な成分として、オウゴンエキスやヒオウギエキス、ノコギリヤシなどが含まれて居ます。
5. AGA・脱毛症状の改善対策 その3:ヘアトニック
1) ヘアトニックとは?
ヘアトニックは別名育毛トニックとも呼ばれ、化粧品として扱われています。
近年の研究の進歩により、育毛を目的とした成分が加わり、「医学部外品」として販売されているものがほとんどです。
ヘアトニックは主に、頭皮の環境を整える効果が認められ、多くの製品の中にはメンソールなど爽快な使用感が得られる成分も含まれています。
育毛トニックの代表的な成分はニコチン酸アミドとピロクトンオラミンです。
頭皮にヘアトニックを使用することによって、頭皮に栄養が行き届きやすくなり抜け毛やフケの原因を防ぎます。
2) ヘアトニックの代表的な成分
・ニコチン酸アミド
血行を促進します。血液内の栄養を頭皮に行き渡りやすくし、抜け毛を防ぎます。血行促進は髪の毛にとってとても重要です。
・ピロクトンオラミン
殺菌作用があり、フケやかゆみを防ぎます。フケを無視していると毛穴がつまり恐れがあり、脱毛を起こす原因となってしまう可能性があります。
6. 抜け毛の原因ともなるフケ
フケの出始めは、たくさん洗うとフケが取り除けるような気もしますが、そうではありません。
フケの出始めた際には、まずはシャンプーを変えてみると良いでしょう。
シャンプーは大きく分けて、洗浄力の高く毛穴の汚れには効果的な石鹸系、泡立ちの良いアルコール系、刺激が非常に少ないアミノ酸系の3種類に分けられます。
・石鹸系シャンプー
価格的にも成分的なところでは安定されている石鹸系ですが、高い洗浄力から髪や頭皮に負担になる可能性が高いため、あまりお勧めできません。
・アルカリ性シャンプー
アルカリ性のため、髪を膨張させてしまう恐れがあります。泡立ちはものすごく良いのですが、洗い流しを怠ると地肌のトラブルの元になりえます。
・アミノ酸系シャンプー
洗浄力は弱めですが、髪や地肌に負担をあまりかけない成分です。
7. まとめ
抜け毛やAGAの原因や症状は人それぞれですが、対処法も人それぞれ異なってきます。抜け毛が気になり始めたら、いち早く積極的にお手入れをして抜け毛の進行を防ぎましょう。