バイアグラは1998年に世界で初めて開発されたEDを治療するための薬剤です[1]。日本では1999年1月に厚生省より認可され、同年3月から販売が開始されました。バイアグラには有効成分シルデナフィルが含まれています。バイアグラは正しい用量を守って服用し、性的刺激を受けると、勃起をサポートする優れた効果をもたらします。バイアグラはお薬を空腹時に服用した場合、約30~40分後に効果があらわれ始めます。しかし、この医薬品を使用する前には、必ず医師の診察を受け、勃起不全の原因を調べる必要があります。また、すべての禁忌症と併用禁忌薬を知り、責任を持って服用することも重要です。
バイアグラには、相互作用をもたらす併用禁忌薬と併用注意薬があります。多くの医薬品は単独で服用すると安全に効果をもたらしますが、ある薬剤と組み合わせることにより、危険な副作用や後遺症が発生することがあります。この記事では、バイアグラと服用すると相互作用をもたらす可能性のある併用禁忌薬について詳しく見ていきます。

バイアグラの併用禁忌薬とは?

バイアグラと他の薬を併用する場合の一般的なガイドラインと併用禁忌薬:

– バイアグラを服用する前に、使用している全てのお薬について医師に伝えてください。バイアグラは特定の処方薬と市販薬、サプリメントと併用すると、望ましくない副作用や後遺症が発生する可能性があります。
– 狭心症に使用される特定の心臓病のお薬とシルデナフィルの併用は禁忌とされています。冠状動脈性心疾患の治療に使用されるニトログリセリンや、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの硝酸塩を含むお薬とバイアグラの併用は絶対に避けてください。
– 高血圧や前立腺に疾患がある場合、これらの治療に使用されるお薬とバイアグラの併用は避ける必要があります。高血圧のための降圧剤や前立腺肥大症に使用されるα遮断薬は血圧を急激に低下させ、脱力感やめまいを引き起こす可能性があるため、併用禁忌薬とされています。その他、カルペリチドも併用注意薬です。
– バイアグラと、シアリスレビトラなどの他のED治療薬との併用は禁忌です。

知らずに、バイアグラとこれらの併用禁忌薬を一緒に服用してしまった場合は、必ずお薬を併用してしまったことを医療スタッフに伝えるようにしてください。また、バイアグラの併用禁忌薬を服用したタイミングもお伝えください。

バイアグラの併用禁忌薬・併用注意薬とその理由

バイアグラに添付されている説明書には服用のガイドラインと注意点が記載されています。シルデナフィルは特定の薬剤と相互作用をもたらし、併用禁忌薬が指定されています。


ニトログリセリンとバイアグラ

狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療に使用される、ニトログリセリンなどの硝酸薬が処方されることがあります。硝酸薬とシルデナフィルとの併用は非常に危険です。併用すると、危険なレベルまでに血圧を低下させ、心臓発作や脳卒中を引き起こす可能性があります。

バイアグラと風邪薬

インフルエンザなどの流感にかかった際には、風邪薬や総合感冒薬を服用します。そんな時にバイアグラを服用することになったら、イブプロフェンやアセトアミノフェンを含む風邪薬でしたら、バイアグラとの相性が良いとされています[2] [3]

バイアグラとレビトラの併用(ばいあぐら, れびとら)

バイアグラは、レビトラなどの他のED治療薬と併用することはできません。レビトラもED治療薬の一つですが、有効成分としてバルデナフィルが含まれています。シルデナフィルとバルデナフィルの化学構造式は似ているので、この組み合わせで併用すると、過剰摂取になります。バイアグラとレビトラの効果を試したい場合は、日にちを改めて他の日にそれぞれのお薬を使用してみると、どちらがより効果的かを感じることができるでしょう。

バイアグラと頭痛薬

バイアグラは血管が拡張する作用をもたらすため、頭痛の副作用は一般的にみられます。バイアグラとアルコールを一緒に飲んだ場合にも頭痛が発生することがあります。片頭痛の場合は、イブプロフェンやアスピリンを配合した頭痛薬でしたら、ED治療薬と服用しても問題ありません。しかし、胃潰瘍、循環器系、腎臓、肝臓、肺などに疾患がある男性は、頭痛薬とバイアグラを併用する前に医師に相談した方が良いでしょう。

ステロイドとバイアグラ

ステロイドとは、人間の体内で自然に作られているホルモンを人工的に似せて作った成分です。ステロイドは症状を治すことはできませんが、炎症を抑えることができ、むくみや痛みなどの症状を和らげてくれます。バイアグラと一緒にステロイドを服用することは、医師が止めない限り許されています。この場合、医師からED治療薬の服用量を減らすように指示されることがあります。詳しくは、医師に相談してください。

ミノキシジルとバイアグラ

ミノキシジルもバイアグラと同様に、もともとは高血圧のお薬として開発されましたが、AGA(男性型脱毛症)の治療に効果があることがわかり、AGAを治療するために適応外で使用されています。どちらの医薬品も、血圧を下げ心拍数を上げる作用があるので、一緒に服用することは避けたほうが良いでしょう。過剰摂取した場合の副作用として、めまいや失神が発生することがあります。[4]

クラリスロマイシンとバイアグラ

クラリスロマイシンは幅広い治療に用いられる抗生物質です。ED治療薬との併用は医師に相談して了承が得られた場合にのみ可能です。抗生物質はシルデナフィルの吸収を促進し、血中濃度を高めてしまうため、勃起時の痛みをはじめとする様々な副作用を引き起こす可能性があります[5] [6]。クラリスロマイシンとバイアグラを併用する場合は、患者の健康状態によってバイアグラの用量を減らすなどの調整が必要になる場合があります。詳しくは医師にご相談ください。

バイアグラとグレープフルーツ

グレープフルーツとそのジュースを摂取して、バイアグラを使用すると、血中の薬物濃度を高めてしまう可能性があります。グレープフルーツは医薬品の有効成分が体内から代謝される働きを阻害する作用をもたらすため、過剰摂取につながる可能性があります。[7] そのため、グレープフルーツとグレープフルーツジュースを、ED治療薬と併用することは控えましょう。

バイアグラと併用禁忌薬を併用した時に発生する副作用は?

医薬品のグループとその例 禁忌とされる理由
硝酸薬:
・三硝酸グリセリン ・一硝酸イソソルビド ・ジニトラート ・ニコランジル ・硝酸アミル
α遮断薬 :
・アルフゾシン ・ドキサゾシン ・インドラミン ・プラゾシン ・タムスロシン ・テラゾシン
硝酸薬は血管拡張効果があり、血圧を下げます。 α遮断薬も降圧作用があり、シルデナフィルと併用すると降圧作用を高め、危険なレベルにまで血圧を低下させ、めまいや心臓発作などの命にかかわる症状を引き起こす可能性があります。
マクロライド系抗生物質:
・クラリスロマイシン ・エリスロマイシン
CYP3A阻害薬:
・コビシスタット
持続性Ca拮抗剤:
・ジルチアゼム
抗真菌剤:
・イトラコナゾール ・ケトコナゾール
HIVプロテアーゼ阻害薬
・チプラナビル ・ベラパミル
これらのお薬はシルデナフィルの代謝を阻害するため、有効成分の血中濃度レベルを上昇させ、副作用のリスクを増加させます。
・ボセンタン ・カルバマゼピン ・エトラビリン ・ホスフェニトイン ・フェノバルビタール ・フェニトイン ・プリミドン ・リファンピシン これらのお薬はシルデナフィルの血中濃度を低下させ、バイアグラの効果を低下させます。

まとめ

バイアグラはED治療薬として、最も長い歴史を持つ勃起不全を治療するための効果的なお薬です。安全にお薬を使用するためには、併用禁忌薬と併用注意薬を知り、併用を避けることが大切です。そうすれば、バイアグラの素晴らしい効果を安全に得ることができます。併用禁忌薬を間違って飲んでしまうと、危険な副作用が発生し、病院に行くための料金がかかるだけでなく、健康を害する恐れがあります。後遺症を患うことも考えられますので、お薬の併用禁忌薬にはくれぐれも注意してください。この記事でご紹介した併用禁忌薬や併用注意薬は一部であり、併用禁忌薬は他にもありますので、バイアグラを服用する前に医師にお薬手帳を持参して相談し、バイアグラと他の医薬品の併用について必ず相談するようにしてください。

参照

[1] https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/viagra/tp0424-2.html

[2] https://www.drugs.com/drug-interactions/ibuprofen-with-viagra-1310-0-2061-1352.html4

[3] https://www.drugs.com/drug-interactions/minoxidil-topical-with-viagra-1639-0-2061-1352.html

[4] https://www.drugs.com/drug-interactions/paracetamol-with-sildenafil-11-2744-2061-0.html

[5] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16372380

[6] https://www.drugs.com/drug-interactions/amoxicillin-clarithromycin-lansoprazole-with-viagra-188-0-2061-1352.html

[7] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11823754