ジェネリック医薬品は世界中の人々から求められています

「ジェネリック医薬品」は日本でも大分浸透してきていますが、まだまだジェネリック医薬品とは何かという点に関しては正しく理解されていない方が多く、日本での普及は世界に比べて大分遅れている、というのが現状です。

ジェネリック医薬品とは、ごく簡単に説明すると、新薬を開発した製薬会社の特許が切れた後に販売される、ほぼ同成分、同効果であるけれども、新薬よりも安価な医薬品のことです。

新薬を開発した企業は、開発にかかった費用を回収する必要がありますので、約20年ほどの特許期間の間は独占販売が認められています。そのため、特許期間中は、その新薬のジェネリック医薬品が市場に出てくることはありません。

特許が切れた後、同様の有用成分と製法を用いて他の企業がジェネリック医薬品を製造が可能となるため、ジェネリック医薬品が安価で市場に出回ることになります。

そして、新薬の製造企業のノウハウをすべて使うことができ、新薬の開発時と比べ圧倒的に短い開発できるので、ジェネリック医薬品の価格は低く抑えられているのです。

安価であっても、管轄官庁である厚生労働省の認可を得ている医薬品ですので、安全性も新薬同様ですので、安心して選ぶことができます。

特許が失効するまでに見つかった副作用や、品質向上のために行われた改良もジェネリック医薬品には加えられていますので、新薬よりもメリットが多い場合もあります。

ジェネリック医薬品には、医療費を抑えるという面でメリットが大きく、安全性や効果、効能も新薬と同等以上なので、もっと普及しても良いのですが、日本では世界に比べ普及が遅れています。

欧米では、60%近い普及率に対し、日本の普及率はおよそ15%程度です。

その理由としては、

1:日本の保険制度により患者の自己負担率は1割〜3割と非常に低いため、あまり薬の値段を気にする必要がないということ、

2:法律による制限が厳しいため、他の国では既に流通している医薬品であっても日本で認可されていないため選択肢が少ないこと、

が挙げられます。

欧米では、日本に比べ医療費が高い上に自己負担率も非常に高いため、また、発展途上国では医療費の負担を極力減らすためにジェネリック医薬品の需要は非常に高いという現状があります。

しかし現在、日本では世界最速のスピードで少子高齢化が進んでいます。

高齢者人口が増えて医療費の負担増も確実な日本では、欧米以上に安価で薬剤費の節約にもつながるジェネリック医薬品の普及が今後の課題です。