1. レビトラとは?

レビトラはドイツのバイエル薬品株式会社が製造販売しているED治療薬です。日本ではバイアグラに続いて2番目に認可され発売されるようになったED治療薬です。2003年にアメリカのFDA(Food and Drug Administration 米国食品医薬品局)から認可を受けて世界中で発売されるようになりました。日本では2004年より厚生労働省からの認可を受けて医療機関での処方を受けることができるようになりました。

ドイツのバイエル薬品株式会社は欧米では頭痛薬として最も知名度のあるアスピリンを製造販売している大手の製薬会社です。

レビトラはバイアグラに続いて販売されているED治療薬なので、あらゆる側面でバイアグラの欠点を改良したED治療薬になります。

レビトラの特徴としてまず挙げることができることは、薬の速効性と食事の影響を受けにくいことです。

1)レビトラの特徴その1:食事の影響を受けにくい

バイアグラの効果は世界中の多くの男性たちによって実証されていますが、食事の影響を受けやすいという欠点がありました。十分な効果を感じるためには空腹で服用する必要があり、デートの際には食事を伴うことも多いことから不便を感じる男性も多かった状況でした。

レビトラは、普通の食事の後に服用しても影響がほとんどないとされています。普通の食事とはカロリーで表すと700キロカロリーの食事までの食事です。薬の効果を十分に引き出すためにも、あっさりとした食事をすると良いでしょう。焼肉や揚げ物、中華料理など油分が多い食事の後に服用するとレビトラの有効成分が体内に吸収されることが阻害されるので効果を感じることができないことがあります。

レビトラの効果を十分に感じるためには空腹時で服用することが推奨されています。レビトラの効果持続時間は10mgで5〜6時間であり、20mgですと8〜10時間となります。食事の30分ほど前に服用すると薬の有効成分が体内に吸収された後ですので食事をされても問題はありません。

2)レビトラの特徴その2:速効性

レビトラの有効成分であるバルデナフィル水に溶けやすい性質を持っています。そのために、レビトラは、他のED治療薬と比較して服用してから最も速く体内に吸収されていきます。薬を服用してからおよそ10〜15分ほどで効果を感じることができ、40〜50分ほどで有効成分が最高血中濃度に達するとされています。

急なシチュエーションで服用する必要があるときなどは便利なED治療薬です。

3)レビトラの特徴その3:糖尿病やうつ病などの病気が原因のEDにも効果的

レビトラ糖尿病、うつ病、高血圧症、脂質異常症、脊椎損傷などの病気が原因でEDを患っている場合にも効果をもたらすことができるED治療薬です。糖尿病などを患っていると、一般的にはED治療薬が効きにくいとされています。レビトラは3種類あるED治療薬の中で最も病気が原因のEDの症状に効果的だとされています。

4)レビトラの特徴その4:ほどよい飲酒なら効果をもたらすことができる

バイアグラはお酒と一緒に服用すると効果をもたらすことができないED治療薬でしたが、レビトラはほどよい飲酒なら服用することが可能です。どうしてもお酒を少し飲んで性行為を行いたいという方にはレビトラを推奨することができます。

しかし、お酒の量は少量に抑える必要があります。

ED治療薬はお酒を回りやすくする作用をもたらすので、お酒に弱い方はレビトラとお酒を一緒に服用することを避ける必要があります。

2. レビトラの効果

レビトラの有効成分はバルデナフィルです。

バルデナフィルは、男性のED(勃起不全)を治療するために使用される医薬品です。レビトラを服用して性的刺激を受けると、陰茎への血流を増加させることによって作用し、男性が勃起を得て維持することをサポートします。

バルデナフィルは、PDE-5ホスホジエステラーゼ5型)阻害薬と呼ばれる薬物のクラスに属する男性のED(勃起不全)の治療のために使用されます。性行為を行うために必要な十分な陰茎の勃起を達成するサポートをします。この作用は、薬物を服用している男性が性的に興奮したときに、陰茎の血管をリラックスさせより大きな血流を陰茎に流すことによってもたらされます。バルデナフィルは勃起の状態を萎えさせてしまう体内で生成される酵素であるPDE-5(ホスホジエステラーゼ5型)を阻害することができます。この作用により性交を成功させるために十分な勃起の強度と硬さ、持続時間を維持することができるようにサポートします。

レビトラは性的刺激により効果をもたらし、性的欲求を増加させる媚薬ではありません。

3. レビトラの服用方法

レビトラは、日本では5mg、10mg、20mgが正式に認可され販売されています。通常初めてレビトラを服用する方は、10mgを服用することが推奨されています。

24時間以内に1錠以下の錠剤を服用してください。

10mgのレビトラ(バルデナフィル)の用量は、バイアグラ(シルデナフィル)50mgとほぼ同等の効果をもたらします。これは、バルデナフィルの化学組成がシルデナフィルの化学組成と異なるためです。

 

レビトラ性交の2560分前に服用することが推奨されています。

レビトラの効果持続時間は最大で5時間続きます。

24時間ごとに最大で1錠を服用することができます。

 

レビトラは食事の影響を受けにくいので食事の前でも後でも服用することができますが、最も効果的な服用のタイミングは空腹時です。

レビトラとお酒を一緒に飲むことは勧められませんが、どうしてもお酒を飲む必要がある場合はごく少量に制限してください。お酒を飲むと勃起の質が落ちます。アルコールは副作用のリスクも増加させる可能性がありますのでできれば避けた方が良いでしょう。

4. レビトラの副作用

すべての医薬品と同様、レビトラを服用した場合には副作用や他の薬との相互作用が起こすことがあります。

レビトラの最もよくみられる副作用として頭痛があります。

レビトラを服用するとおよそ10%の人が頭痛を経験するとされています。

 

その他の一般的な副作用は次のとおりです。

  • 鼻づまりや鼻水
  • 胃の不調
  • めまい
  • 顔のほてり

ほとんどの場合、これらの症状は数時間ほどでおさまります。

 

まれではありますが、潜在的な重い副作用としては以下のような症状があります。

  • 耳鳴りまたは突然の難聴
  • 不整脈
  • 足首、手、または足の腫れ
  • 呼吸困難
  • 胸の痛み

上記のような副作用が表れた場合はレビトラの服用を中止し、すぐに医師に相談してください。

 

レビトラを服用すると、まれにアレルギー反応が起こることがあります。蕁麻疹、呼吸困難、顔、舌、喉の腫れなどにつながります。これらの症状が現れた場合は、緊急に医師の治療を受けてください。

非常にまれな副作用として、勃起の状態が4時間以上続く勃起持続症が起こることがあります。勃起持続症が起こると陰茎が損傷される可能性があります。勃起が長引く場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

視覚障害は、眼圧が低下したときに起こります。人によっては青い色合いが見えたり、緑色と青色を区別することが難しくなる場合があります。

ごくまれに、一方または両方の目の視力が突然低下することがあります。この症状は、心臓の疾患、冠状動脈疾患、眼の疾患、高コレステロール、糖尿病、または高血圧の症状を患っている方に起こることがあります。突然の視力障害が起こった場合は、服用を止めすぐに医師の診察を受けてください。視力障害の副作用は、喫煙している場合、または50歳以上の場合に発生する可能性が高くなります。

5. レビトラの併用禁忌薬と併用注意薬

レビトラを他の医薬品と共に服用すると、重大な副作用を引き起こす可能性があります。

併用禁忌薬を服用すると次のような症状が起こることがあります。

  • 潜在的に危険な血圧の低下、または低血圧
  • めまい
  • 失神
  • 脳卒中や心臓発作

 

次のような医薬品とレビトラを併用しないでください。

硝酸薬

狭心症、心筋梗塞、脳梗塞後遺症、心臓喘息の治療に使われるアイスラールやアイトロール、亜硝酸アミル、一硝酸イソソルビド錠、ニコランジル、ニトログリセリン等

硝酸薬の中には貼り薬、塗り薬、スプレー、注射、舌下など様々な形体の薬がありますので使用上の注意のリストをしっかりと確認してみましょう。

 

抗真菌薬

水虫用の内服薬、カビなどにより感染症用の治療内服薬など

イコナゾンカプセル、イトラリールイトリゾール、イデノラート、ケトコナゾール(内服用)等

 

HIV治療用の抗ウイルス薬

インビラーゼ、カレトラ、クリキシバン、テラビック、ノービア、フォートベイス、ブリジスタ、レイアタッツ、レクシヴァ等

 

抗不整脈薬

アジマリン、アミオダロン塩酸塩錠、アンカロン、ジソピラ、シベノール、ノルペース、ファンミル、リスピン、リスモダン、リゾラミド、硫酸キニジン等

 

高血圧症治療薬

アダムパス錠等

 

その他、以下のような薬とは併用しないでください。

  • 抗生物質
  • 勃起不全のための他の薬剤
  • 前立腺疾患のための薬物
  • 血圧、または心臓リズム障害治療薬

 

グレープフルーツジュースには副作用を引き起こす可能性の高い化学物質が含まれているため、レビトラを服用している間は摂取しないでください。

 

レビトラを服用する前に、自らの健康状態、および服用している他の薬やサプリメントについて医師に伝えて相談してください。

 

次のような症状を患っている場合はレビトラ服用を避け、医師に相談してください。

  • 陰茎の形の変形(ペイロニー病)
  • 不整脈、心不全、狭心症などの心臓病
  • 長いQT症候群として知られるまれな心臓病の家族歴
  • 聴覚障害
  • 血友病や何らかの出血問題
  • 低血圧または高血圧
  • 肝臓または腎臓の疾患
  • 多発性骨髄腫
  • 白血病、鎌状赤血球貧血、または他の種類の血球問題
  • 非動脈前虚血性視神経症(NAION)
  • 眼の網膜への損傷
  • 胃潰瘍
  • 網膜色素変性症、まれな遺伝性な眼の疾患

過去に脳卒中または心臓発作を経験した場合は、医師に伝えてレビトラの服用について相談してください。

6. まとめ

レビトラはバイアグラに次いで開発販売されるようになったED治療薬です。バイアグラに比べると、食事の影響を受けにくく、速効性があり、生活習慣病などを患っている方にも効果をもたらすことができるために人気のED治療薬です。上記のようなメリットを求める方には、レビトラを推奨します。

医薬品名 主要有効成分 即効性 服用方法 アルコール 持続時間
バイアグラ シルデナフィル 60 分 水で服用

NG

4 時間
バイアグラ
(ソフトタイプ)
シルデナフィル 15-20 分 キャンディーやゼリーのようにそのまま服用 OK 6 時間
シアリス タダラフィル 30 分 水で服用

NG

36 時間
シアリス
(ソフトタイプ)
タダラフィル 15-20 分 キャンディーやゼリーのようにそのまま服用 OK 36 時間
レビトラ バルデナフィル 45 分 水で服用

NG

12 時間
レビトラ
(ソフトタイプ)
バルデナフィル 15-20 分 キャンディーやゼリーのようにそのまま服用 OK 12 時間