1. あがり症とは?

あがり症とは?人間なら誰しも、ある特定の社会的な状況に置かれるときに緊張したり、不快に感じたりすることがあります。

社内で新しいプレゼンテーションをする時、新しい人と出会って初めて会話を交わす時、100人などのたくさんの人の前で話す時、大勢が集まるパーティーの席で、異性とのデートの時、カラオケで上司に突然歌えと言われて歌うことを避けられない時、などなど日常で暮らしていると緊張したりストレスを感じる場面にでくわすことがあります。このような場合に私たちは、多少緊張したりすることがありますが、ほとんどの人はそれを乗り越えることができます。

しかしあがり症社会的不安障害)を患っている場合、これらの状況のストレスがあまりにも大きくなり、耐えられないほどになってしまいます。人と少し話したり、目を合わせることなど、他の人が「正常」と考えるものにたいしてもとても緊張したり怖かったり、ストレスを感じるので、少しずつ、そしてどんどんと社会的な接触を避けるようになってきます。あがり症が原因で、人生のすべての側面で少しずつ正常に動いていたものたちが崩壊し始める可能性があります。

あがり症の正式な症状名は社会不安障害と呼ばれており、社会恐怖症としても知られています。あがり症は現代社会において最も一般的な精神障害の1つです

自分の性格のネガティブな側面のうちの一つとして考えてしまいがちもしあなたがあがり症の症状で悩んでいるとしたら、心配することはありません。希望はあります。最も重要なはじめの一歩は医療機関や精神療法を行う機関に助けを求めに行くことです。あがり症を有している人たちの多くの人たちは、自分が恥ずかしがり屋であったり、小心者であったり、臆病者であったりと自分の性格のネガティブな側面のうちの一つとして考えてしまいがちです。このように自己判断してしまうと、緊張したりストレスを感じる場面をどんどん避けていくようになるので大切な機会を逃してしまったり、才能があるのに重要な場面では十分に発揮されないので自分の才能よりもポジションが低い位置で甘んじてしまっていたり、もっと極端なケースでは引きこもりやうつ病になってしまうこともあります。あがり症でお悩みの方は、一人で悩み続けることはやめて、専門の医療機関や精神療法を行う機関にご相談されることを推奨します。

2. あがり症はいつ起こるのでしょうか?

あがり症はいつ起こるのでしょうか?社会的不安障害を持つ人は、それをさまざまな場面で体験することがあります。

 

・見知らぬ人と話す

・公の場面で話す

・デート

・人と目を合わせる

・他の人たちがいる部屋に入る時

・公衆トイレの使用

・パーティーで

・他の人がいる前で食べる時

・学校や仕事に行く時

・誰かと会話を始める時

 

これらの中で状況によっては、あがり症が発生しない場合もあります。

例えば、スピーチをするのは簡単かもしれませんが、パーティーに行くのはとても苦手だったり、1対1の会話では問題ない人が、人がたくさん集まった会議室に足を踏み入れる時にとても緊張したりします。

 

すべてのあがり症の人が、特定の状況を恐れるには異なる理由があります。

しかし、共通している要因は、圧倒的な「恐れ」にあります。

あがり症の人たちが恐れていることは以下のようなことになります。

 

・社会的な状況で他人によって判断されること

・恥ずかしいと感じたり屈辱を感じる時に赤面したり、発汗したり、震えてしまうこと

・誤って誰かを怒らせたり、傷つけてしまうのではないかということ

・注目の的になってしまうこと

3. あがり症はどのように感じるのですか?

あがり症の症状はすべての人にとって異なるかもしれませんが、社会的不安がありストレスの多い状況にある場合は、以下のような症状が表われることが考えられます。

 

 

あがり症はどのように感じるのですか?

・速い心拍数

・筋肉の緊張

・めまい

・胃のトラブルと下痢

・息をコントロールすることができない

・「アウトオブボディ(Out-of-body)」の感覚(自分の体の中にいる感じがしないこと)

4. あがり症の原因は何ですか?

あがり症(社会不安障害)を引き起こす原因を一つに特定することは難しいとされています。

遺伝的にあがり症になりやすい人がいると言われています。あがり症の家族がいるならあがり症を有する危険性がより高くなります。

恐怖反応を制御する脳の一部である過活動扁桃体の作用が影響している可能性もあります。

 

あがり症(社会不安障害)は通常およそ13歳から14歳ほどの時に起こるとされています。きっかけとしては、家族からや学校での虐待、いじめやからかわれたりする経験が考えられます。必要以上に子供をコントロールしようとしたり過保護であったりする親を持つ子供が大人になってあがり症(社会不安障害)になる可能性が高くなります。健康上の問題で、外見や声に異常をきたす症状が発症すると、それもあがり症(社会不安障害)を引き起こす可能性があります。

5. あがり症はどのように人々の人生に影響を与えるのですか?

社会的な不安障害はあなたの人生をより快活に生きることを妨げます。ほとんどの人が「正常」と考える状況を避けることに繋がります。他の人がそう簡単にあがり症の人を理解することは難しいかもしれません。

 

社会的な状況のすべてを、またはほとんどを避けることになると、個人の精神状態にもネガティブな影響を与えていきます。

 

・低い自己評価

・否定的な考え方

・うつ病

・批判に対する過敏な感受性

・貧弱な社会的能力が改善しない

6. パフォーマンス不安症

たくさんの人々の前でプレゼンを行うことを恐れている人はたくさんいます。何百万人もの人々が「パフォーマンス不安症」に悩まされています。これは一般に「舞台恐怖症」とも呼ばれています。運動選手、ミュージシャン、俳優、パブリック・スピーカーは、しばしばパフォーマンスを行うことへの不安を感じています。

舞台恐怖症パフォーマンス不安症は、本人が楽しんで行うことを人々の前で披露することを妨げ、その人のキャリアに影響を与える可能性があります。パフォーマンス不安症は本人の自尊心や自信にも悪影響を及ぼすことがあります

 

才能はあり一人で行う時や心を許せる相手の前では能力を発揮することができるのですが、大勢の人の前や大事な時に才能を思うように発揮することができないので、フラストレーションを感じたり、悔しい想いをすることも多くあります。

 

パフォーマンス不安症を完全に克服することは不可能かもしれませんが、あなたの感情をコントロールし、不安を減らすためにできることはたくさんあります。

 

パフォーマンス不安症の症状は、その人の体が攻撃された場合と同じようにその状況に反応します。本当の危険にさらされているときに起こる症状に似ています。

 

パフォーマンス不安症パフォーマンス不安症の症状には以下のような症状があります。

 

・高い心拍と速い呼吸

・口や喉の渇き

・手、膝、唇、声が震える

・汗と悪寒

・吐き気

・胃の不安感

・視界の変化

 

 

パフォーマンス不安症の原因は人々の前でパフォーマンスを行うことに対するストレスと不安にあります。自分自身の恐怖や脆弱性に向き合い、自分自身をあるがままに受け入れ、他人に自分自身を証明しなければならないというようなプレッシャーを感じないようにすることは、パフォーマンス不安症を克服するための第一歩です。誰も完璧ではないことを覚えておいてください。あなたが完璧であることを誰も期待していません。間違えても大丈夫です。

 

2番目のステップは、自分の否定的な思考、信念、イメージ、およびパフォーマンスに関する予測をどのように再びポジティブなものに変化させることを学ぶことです。

入念に準備をし、日々の練習をしっかりと繰り返し行います。

 

プレゼンやパフォーマンスを行う日にはカフェインと砂糖の摂取を制限してください。

 

エネルギーを持ち、空腹にならないようにするために、大事な舞台の数時間前にバランスのとれた食事をしてください。炭水化物(全粒粉パスタ、レンズ豆スープ、ヨーグルト、または豆と米)を含む低脂肪の食事は良い選択です。

 

観客に自分がパフォーマンスやプレゼンをしている楽しさに、恐れのイメージから切り替えていきます。目を閉じて、聴衆が笑って応援していると想像してください。

間違っていることに精神を集中させないでください。代わりにポジティブなイメージに焦点を当てます。自分自身が成功していることを視覚化します。

自分自身を疑うような考えを避けてください。

 

ゆっくりと呼吸し、瞑想することもプラスに働きます。

毎日何かのリラクゼーション技法を練習し、必要な時にそのスキルがあなたのために役立つようにすることが最善策です。

散歩をしたり、軽くジャンプしてみたり、筋肉をほぐすために揺らしてみたり、パフォーマンスの前に気分を緩和するために何かをすると良いでしょう。

 

観客と心的な繋がりを持ちましょう 。観客を友達として考え、笑顔で自然に行動し、自分らしく振舞ってください。

 

運動、健康的な食生活、十分な睡眠を取って健康的な生活を送ることもプラスに働きます。

 

パフォーマンス不安症は通常、パフォーマンスの前に悪化し、パフォーマンスを開始すると消えていきます。

7. あがり症の治療方法

1) カウンセラーやセラピストに相談する

 

カウンセラーやセラピストに相談するポジティブに考えたり、トレーニングや訓練を行う方法が効果的でなければ、あがり症を治療するために訓練を受けたカウンセラーやセラピストに相談する方法があります。症状を克服するために、認知行動療法などのより集中的な治療を受ける必要がある可能性があります。これらの心理療法は多くの人々に良い効果を及ぼしています。

 

2) β遮断薬(ベータ遮断薬)を服用する

 

心拍数を低下させ、アドレナリンの影響を遮断する、インデラル(プロプラノロール塩酸塩)などのβ遮断薬(ベータ遮断薬)は、パフォーマンス不安を抱える人々に使用されることがあります。β遮断薬(ベータ遮断薬)は、副作用がほとんど感じられないといわれている医薬品です。

β遮断薬(ベータ遮断薬)は動悸やふるえを軽減させることができます

 

薬を服用することに抵抗がある人もいるかと思われますが、恐れに直面し、それらを減らし自己管理する方法を学ぶことは、自分に自信を与えることができます。それは自分自身についてのイメージが良くなるだけでなく、おもいもよらずに自信がある演技家であることを発見することになるかもしれません。

 

3) あがり症に効果的なハーブやサプリメントを服用する

 

あがり症に効果的なハーブやサプリメントを服用するあがり症に効果的なサプリメントがあります。

とても簡単に摂取することができる方法は、カモミールティーなどを飲むことです。

 

サプリメントですと、ベストお薬でも販売しているアシュワガンダ(Ashwaghanda)があがり症に効果的なサプリメントとして知られています。

 

そのほかには、ワレリアナ根(Valerian root)、セントジョーンズワート(St. John’s Wort)、L‐テアニン(L- theanine)、アニラセタム(Aniracetam)、ギャバ(GABA)、ジメチルグリシン(DMG)などがあがり症に効果的なサプリメントです。

8. まとめ

あがり症は克服可能な症状です。

あがり症があるために大切なチャンスを逃していたり、大事な場面を避けているという場合には、トレーニングを行ったり、セラピーを受けることにより克服することができるようになります。

医薬品やサプリメントを服用して、症状を克服していきながら徐々に自信をつけていくという方法もあります。

前向きな行動をとれば人々との交友を楽しんで喜びにあふれた人生にすることができるようになるでしょう。