エクセンタ（Exenta）

著者 スワティ・プンド 薬学 博士 スワティ・プンド 薬学 博士 Ph.D.

エプレレノンの作用機序と効果

エクセンタに含有の有効成分エプレレノンは、「選択的アルドステロン拮抗薬」に分類されている医薬品です。主に腎臓に働きかけ、体内の余分な塩分を水分と共に尿中に排出し、浮腫みを軽減し血圧を降下させる作用をあらわします。

血圧が上昇する要因の一つとして、ホルモンの一種の「アルドステロン」という体内物質が関係しています。アルドステロンは腎臓で水分や塩分量を調整する役割を果たしています。しかしアルドステロンは同時に、腎臓にある尿細管で水分や塩分を血管内へ再び吸収させる作用もあり、血管に流れる血液量を増加させます。この時、再吸収された塩分が体内に溜まり、それによって浮腫や血圧の上昇が引き起こされます。また、アルドステロンは心臓、血管、脳などにも作用することで、心筋線維化、心臓肥大化、血管炎症反応の亢進、腎臓障害等にも関わるとされます。これらの作用が血圧上昇をもたらすことで、心不全の発症や悪化の原因にもなると考えられています。

エプレレノンは、このアルドステロンが作用する受容体物質の「ミネラルコルチコイド受容体」に結合するのを選択的にブロックすることで、アルドステロンの働きを阻害・抑制します。
この作用により血圧を下げる効果をあらわし、高血圧以外にも血管の線維化や心肥大、腎障害等の症状を抑える効果を発揮します。

※ベストお薬では、エクセンタの他にも高血圧の症状を緩和する医薬品を揃えております。

参考：選択的アルドステロン拮抗薬（エプレレノン、エサキセレノン）の解説：日経メディカル

エプレレノンの服用方法

エプレレノンの服用方法と容量は症状により異なります。各症状の服用方法は下記の通りです。
また、医師から指示がある場合は医師の指示に従って服用してください。

〈高血圧症〉

成人の場合は、1日に1回、50mgの服用から開始します。効果が不十分だと感じられる場合は、1回100mgまで増量します。

〈慢性心不全〉

成人の場合は、1日に1回、25mgの服用から開始します。血清カリウム値および状態により服用開始4週間以降を目安として1日に1回50mgへ増量してください。

〈腎機能障害〉

中等度症状の患者の場合は、1日に1回、隔日25mgの服用から開始します。最大服用量は1日に1回、25mgとしてください。ただし、血清カリウム値および状態によって適宜服用量を減量または服用中断してください。

エクセンタの個人輸入

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エプレレノンの禁忌と副作用について

エプレレノンは、服用する前に注意事項があります。禁忌や副作用について、以下の内容をご覧ください。

禁忌

＜効能共通＞

● 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
● 高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患
● 重度の腎機能障害（クレアチニンクリアランス30mL/分未満）のある患者
● 重度の肝機能障害（Child-Pugh分類クラスCの肝硬変に相当）のある患者
● カリウム保持性利尿薬及びミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を投与中の患者
● イトラコナゾール、リトナビル及びネルフィナビルを投与中の患者

＜高血圧症＞

● 微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者
● 中等度以上の腎機能障害（クレアチニンクリアランス50mL/分未満）のある患者
● カリウム製剤を投与中の患者

副作用

エプレレノンの副作用として、下記のような症状が現れる場合があります。

＜高血圧症＞

● 貧血、溢血斑、高尿酸血症、高トリグリセリド血症、高血糖、口渇、痛風、高カルシウム血症、脱水、糖尿病悪化、低ナトリウム血症、食欲亢進
● 不眠症、うつ病、神経過敏、不安、頭痛、めまい、異常感覚、起立性低血圧、傾眠、知覚減退、眩暈、片頭痛、失神、健忘
● 心悸亢進、頻脈、期外収縮、不整脈、狭心症
● 低血圧、脳血管障害、咳、感冒症状・上気道感染、呼吸困難、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、鼻出血、喘息・喘鳴
● 嘔気、消化不良、下痢、腹痛、便秘、嘔吐、口内乾燥、胃食道逆流、鼓腸放屁、味覚倒錯
● 脂肪肝、肝機能異常
● 発疹、多汗、そう痒症、皮膚疾患、蕁麻疹、皮膚乾燥、血管神経性浮腫
● 筋痙攣、関節痛、筋痛、四肢疼痛、背部痛、筋脱力、攣縮
● 頻尿、多尿、蛋白尿、夜間頻尿、血尿、尿路感染
● 疲労、末梢性浮腫、無力症、胸痛、潮紅、ほてり、疼痛、倦怠感
● ALT上昇、γ-GTP上昇、AST上昇、CK上昇、BUN上昇、ECG異常、血中クレアチニン上昇、単球増多、コレステロール増加、尿比重減少、Al-P上昇、好酸球増多、プロトロンビン減少、尿比重増加、リンパ球増多、好塩基球増多、LDH上昇、白血球増多、尿糖、ビリルビン増加、ヘモグロビン増加
● 眼痛、視覚異常、眼球乾燥、霧視、耳鳴、勃起障害、女性化乳房、リビドー減退、月経異常

＜慢性心不全＞

● 限局性感染、ウイルス感染、耳感染、上気道感染、咽頭炎
● 貧血、好酸球増加症、甲状腺機能低下症、脱水、痛風、高尿酸血症、高カルシウム血症、糖尿病、高トリグリセリド血症、低ナトリウム血症、高コレステロール血症、
● 不眠症、うつ病、めまい、頭痛、失神、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、記憶障害
● 心不全増悪、動悸、徐脈、心室細動、心房細動、頻脈、左室不全
● 低血圧、起立性低血圧、静脈障害
● 呼吸困難、咳嗽、腹痛、嘔気、下痢、腹部不快感、食欲減退、嘔吐、胃炎、口内炎、便秘、口内乾燥、放屁
● 肝機能異常、胆嚢炎、そう痒症、多汗症、発疹、血管浮腫
● 筋骨格痛、筋痙縮、背部痛
● 腎機能障害、腎不全、頻尿、慢性腎臓病
● 疲労、疼痛、倦怠感、胸痛、発熱、無力症
● 血中クレアチニン増加、BUN上昇、上皮成長因子受容体減少、糸球体濾過率減少、体重増加、血中ブドウ糖増加
● 耳鳴、女性化乳房、膀胱新生物

また、重大な副作用として下記の症状が現れる場合があります。

● 高カリウム血症

上記の症状や異常が見られて場合は服用を中止し、医療機関で医師の診断を受けてください。

参照：

「日本薬局方　エプレレノン錠」JAPIC

医療用医薬品：セララ

エプレレノン：Wikipedia

著者紹介： スワティ・プンド 薬学 博士 スワティ・プンド 薬学 博士は、学術・研究分野での確かな経験と、査読付き科学雑誌での出版、ファイザーなどの大手製薬会社での研究経験を有する薬学博士です。当ウェブサイトのすべてのページで専門知識を監修しています