オルミエント（Olumiant）

著者 スワティ・プンド 薬学 博士 スワティ・プンド 薬学 博士 Ph.D.

バリシチニブの作用機序と効果

オルミエントの主成分として含有している有効性分「バリシチニブ」は、「経口ヤヌスキナーゼ（JAK）阻害薬」という種類に分類される医薬品です。
免疫系が原因となって発症する炎症を抑えることから、アトピー性皮膚炎や関節リウマチ、自己免疫疾患による円形脱毛症の治療の他、コロナウイルス（SARS-CoV-2）による中等度以上の肺炎の治療薬としても使用されます。

アトピー性皮膚炎や関節リウマチなどは、免疫機能の異常が原因となり身体に炎症が引き起こされ発症します。
身体の炎症や免疫機能には、「サイトカイン」という低分子タンパク質の物質が大きく関係しています。
サイトカイン自体は、リンパ球などの免疫細胞を活性、増殖させるのに必要な物質です。
しかし、リンパ球や細胞が何らかの原因により過剰に反応することで、皮膚のかゆみ、湿疹、炎症、関節の腫れなどの症状が引き起こされます。

バリシチニブは、免疫細胞から分泌されるサイトカインが免疫活性化のシグナルを伝達するのを阻害する作用があります。この作用によって、免疫の過剰反応によっておこる身体の炎症を抑えます。

【アトピー性皮膚炎】

皮膚の炎症をコントロールすることで、アトピー症状を緩和します。服用開始の早期のうちから、症状改善がみられます。

【関節リウマチ】

関節の炎症を鎮めて腫れや痛みを軽減、関節の破壊を抑えます。但し、感染症などの副作用の恐れがあるため、標準療法で効果が不十分な場合に用います。

【自己免疫疾患の円形脱毛症】

免疫機能の過剰反応を抑制することで脱毛を防ぎます。但し、広範囲に及ぶ重度の脱毛での適用になります。

【新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）による肺炎】

肺の炎症を鎮めて肺炎を改善します。但し、酸素吸入を必要とする中等度以上の肺炎に対して使用します。2021年に新型コロナウイルスの治療薬として厚生労働省から承認されました。

＊ベストお薬では、新型コロナ対策の薬を他にも取り扱っています。

参照：

オルミエント錠４ｍｇ オルミエント錠２ｍｇ 非臨床試験の概括評価

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2021

バリシチニブの服用方法

バリシチニブは、症状によって用法および用量が異なります。

［関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症］

1日に1回、1回あたり4mgを服用してください。
尚、状態に応じて1回あたり2mgに減量してください。

［新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎］

レムデシビルとの併用において、1日に1回、バリシチニブ4mgを服用してください。
尚、総投与期間は14日間までとしてください。

・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎での投与の場合、「酸素吸入、人工呼吸管理または体外式膜型人工肺（ECMO）導入を要する患者を対象とし、入院下で投与を行うこと」と定められています。必ず医師の指示に従って服用するようにしてください。

オルミエントの個人輸入

当社が販売するこの製品は、スペインのイーライリリー社が国際的な基準を満たして製造・販売する医薬品です。ベストお薬は、品質が保証されている正規医薬品をお客様に安心してお届けすることをお約束します。

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バリシチニブの禁忌と副作用について

バリシチニブは、禁忌や副作用のリスクがあります。服用する場合は、下記の点に注意してください。

禁忌

＜効能共通＞

● 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
● 活動性結核の患者
● 好中球数が500/mm3未満の患者
● 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

＜関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症＞

● 重篤な感染症（敗血症等）の患者
● 重度の腎機能障害を有する患者
● リンパ球数が500/mm3未満の患者
● ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者

＜SARS-CoV-2による肺炎＞

● 透析患者又は末期腎不全（eGFRが15mL/分/1.73m2未満）の患者
● リンパ球数が200/mm3未満の患者

副作用

バリシチニブ服用時、次の副作用があらわれることがあります。

● 神経系症状：頭痛
● 胃腸症状：悪心、腹痛
● その他の症状：上気道感染、帯状疱疹、単純ヘルペスなど

重大な副作用として、稀に下記の症状があらわれることがあります。

● 感染症
● 消化管穿孔
● 好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少
● 肝機能障害、黄疸
● 間質性肺炎
● 静脈血栓塞栓症

服用中に上記の症状や異常があった場合、服用を中止しすぐに医師の診察を受けてください。

参照：

オルミエント：Lilly medical

医療用医薬品 : オルミエント

wiki : オルミエント

著者紹介： スワティ・プンド 薬学 博士 スワティ・プンド 薬学 博士は、学術・研究分野での確かな経験と、査読付き科学雑誌での出版、ファイザーなどの大手製薬会社での研究経験を有する薬学博士です。当ウェブサイトのすべてのページで専門知識を監修しています