リトヒートL（Ritoheet-L）

著者 スワティ・プンド 薬学 博士 スワティ・プンド 薬学 博士 Ph.D.

リトヒートLの作用機序と効果

効果効能：HIV感染症

ロピナビル（lopinavir）
HIV感染症の治療に用いられる、プロテアーゼ阻害薬と呼ばれる成分です。エイズウイルスの増殖に必要なプロテアーゼという酵素を阻害することで感染性ウイルス粒子の生成を抑え、エイズウイルスの増殖を抑制します。

リトナビル（ritonavir）
ロピナビルと同じくプロテアーゼ阻害薬の一つですが、抗ウイルス効果よりもロピナビルのはたらきをサポートする効果を期待して使用される成分です。ロピナビルの分解を抑制することによりロピナビルの血中濃度が上昇させ、薬効を増強・維持する役割を持ちます。

リトヒートLの服用方法

年齢や併用する薬剤、ロピナビルの服用歴、症状に応じて用法および用量が異なります。服用する際には、必ず医師の指示に従ってください。

【抗HIV薬「カレトラ」の用量用法を参照】
通常、成人の場合は1日2回、1回ロピナビル400mg・リトナビル100mg（リトヒートLを2錠）を服用。
または、1日1回、1回ロピナビル800mg・リトナビル200mg（リトヒートLを4錠）を服用。

体重40kg以上の小児の場合は、1日2回、1回ロピナビル400mg・リトナビル100mg（リトヒートLを2錠）を服用。
乳幼児が服用する場合は、必ず医師に相談し、指示に従ってください。

●本剤は、食事の有無にかかわらず服用できます。
●併用注意・併用禁忌の薬剤があります。疾病を治療中の方や薬剤を服用中の方は、本剤を服用する前に医師にご相談ください。

リトヒートLの個人輸入

リトヒートL（Ritoheet-L）は、インドのアーメダバードに本社を置く製薬会社ヒート ヘルスケア社（Heet Health Care Pvt. Ltd.）のジェネリック医薬品です。日本では未発売ですが、個人での使用を目的とした個人輸入により購入できます。

禁忌と副作用について

●本剤はHIVウイルスを阻害しますが、人と人との接触によるHIV感染を防ぐ効果はなく、HIV感染を予防するものではありません。
●併用注意・併用禁忌の薬剤があります。疾病治療中の方や薬剤を服用中の方は、本剤を服用する前に医師にご相談ください。
●以下の方は本剤を服用しないでください。
・本剤の含有成分に対し、過敏症の既往歴のある方
・腎機能障害または肝機能障害があり、コルヒチンを服用中の方
●妊婦または妊娠している可能性のある女性は、本剤を服用する前に医師に相談し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ処方されます。
●授乳中の方は、本剤を服用する際には授乳を中止してください。
●本剤は、ホルモン剤による避妊の有効性を低下させる可能性があります。ホルモン剤による避妊中の方は、医師と相談したうえで追加または代替の避妊法を検討し、性行為の際にはコンドームを使用してください。
●ボトルを開封後は、湿気を避けて保管してください。

リトヒートLの主な副作用：腹痛、虚弱、吐き気、下痢、嘔吐、頭痛、不眠症など

重大な副作用として、糖尿病の悪化・高血糖、徐脈性不整脈、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、体脂肪の蓄積、コレステロールの増加などが報告されています。

本剤を服用中に体に異常があらわれた場合は、ただちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。

参照：

医療用医薬品 : カレトラ

カレトラ配合錠の基本情報（薬効分類・副作用・添付文書など）｜日経メディカル処方薬事典

ロピナビル – Wikipedia

リトナビル – Wikipedia

著者紹介： スワティ・プンド 薬学 博士 スワティ・プンド 薬学 博士は、学術・研究分野での確かな経験と、査読付き科学雑誌での出版、ファイザーなどの大手製薬会社での研究経験を有する薬学博士です。当ウェブサイトのすべてのページで専門知識を監修しています