バイアグラの副作用
シルデナフィルの作用:その効果と副作用
バイアグラは有効成分シルデナフィルを主成分とし、ED(勃起不全)の治療に大きな変化をもたらした世界で最も人気のあるED治療薬です。 日本では1999年の初めに、勃起不全の症状を治療するための処方薬として厚生労働省により承認されました [1]。
このお薬の作用機序は一酸化窒素の生成に関与し、間接的な影響を与えることでもたらされます。シルデナフィルの作用は骨盤底の平滑筋と血管を弛緩させることで陰茎への血流を増加させ、持続可能な勃起を引き起こす効果をもたらします。服用後40〜60分で効果があらわれ始め、6時間程持続します。
日本でシルデナフィルは処方箋により25 mgまたは50 mgの用量で入手できます。海外ではファイザー製薬からシルデナフィルを100 mg含む高用量の錠剤が販売されています。また、FDA(米国食品医薬品局)にも承認されているさまざまなバイアグラジェネリックのED治療薬がお手頃価格で提供されています。バイアグラジェネリックが必要な場合は、個人輸入代行サービスのバイアグラの通販を利用してご自宅まで配達してもらうことができます。
シルデナフィルの治療効果に加えて、服用する際には薬の副作用が生じることがあります。以下の表は、日本を含む世界の67の研究において観察された主な副作用のデータです[2]。これらの状態はすべて一時的であり、最大服用量を超えない限り、重度の副作用が発症することは極めて稀であるとされています。海外でのシルデナフィルの最大服用量は100mgであり、日本では50mgとなっています。 最大服用量の範囲内のばいあぐら100 mg/ 50mgを服用することよる副作用のほとんどは、お薬の効果時間が過ぎるにつれて解消されるので大丈夫です。
副作用 | 25 mg | 50 mg |
---|---|---|
ほてり | 9.62% | 10.6% |
頭痛 | 9.94% | 15% |
鼻炎 | 0.64% | 4.1% |
めまい | 1.92% | 3.9% |
消化不良 | 1.28% | 3.2% |
頭痛
バイアグラの副作用の中で第1位は頭痛です。平均で男性の15%に頭痛が発生するとされ、100mgの服用量では望ましくない副作用の発症頻度が16.5%に上昇します。シルデナフィルの他の副作用とは異なり、頭痛が健康状態に大きな害を与えることはありません。この副作用は時間と共に自然に消えるか、服用量を減らすと低下します。この作用は、新薬だけでなくそのジェネリック医薬品にも当てはまります。より詳しい情報「カマグラの副作用」の記事をご参照ください。
日本の医療専門家によると、バイアグラを服用して頭痛の副作用があらわれるケースは高血圧と片頭痛の持病を有する男性の場合に最も多く見られました。つまり、健康上の理由で平常時の状態でも頭痛を経験している方に、頭痛の副作用が現れやすいということでした。
そのような患者は、バイアグラを服用する際に、頭痛薬を併用して痛みをコントロールすることができます。注意点としては、シルデナフィルと相互作用をもたらす併用禁忌薬と併用してはいけないという点です。
バイアグラによる下痢
下痢は、1日3回以上の頻繁な排便を特徴とする副作用です。下痢の場合、便は液状になり、痛みを伴うことがあります。
バイアグラを服用することによる下痢は消化不良に起因しており、100人中およそ3人の男性に発症するとされています。残念ながら、胃腸機能障害はすべての勃起不全治療薬に共通する副作用です。より詳しい情報は「シアリスの副作用」の記事をご参照ください。副作用とその解消方法が詳しく解説されています。
筋肉痛
バイアグラ服用する際に筋肉痛の副作用を経験する男性は全体の3%未満です。背中、腰、臀部、おしりの筋肉に痛みがあらわれることがあります。筋肉痛は横になった姿勢で悪化し、セックスが困難になります。
しかし、バイアグラの副作用として筋肉痛があらわれることは稀であり、市販の鎮痛薬で痛みを和らげることができます。専門医に相談すれば、バイアグラに伴う筋肉痛に適した薬を選んでくれるでしょう。
鼻づまり
バイアグラの副作用として鼻づまりを経験する場合は全体の4%です。
シルデナフィルの作用は一酸化窒素のレベルを上昇させます。NO(一酸化窒素)は呼吸器の粘膜にも存在しており、血管拡張の働きをもたらして鼻づまりを引き起こすことがあります。
近年の研究では、バイアグラだけが鼻づまりの原因になるわけではないことがわかっています。 性的な刺激自体が、鼻からの空気の量を減らしてしまう可能性があることが示唆されています[3]。
呼吸器の症状が鼻づまりに伴い生じる場合は、心配しないでください。鼻づまりがセックスの成功を妨げることはほとんどありませんし、お薬の作用持続時間が過ぎると共に、健康を害することなく症状は治まっていきます。
バイアグラの心臓への副作用
バイアグラの心臓への副作用は、男性の最大の関心事でしょう。医薬品の注意事項を観察しながら、過去20年以上の間世界中の科学者たちが、シルデナフィルの心血管系にもたらす影響への安全性を証明してきました [4]。
お薬の有効成分は血管の平滑筋を弛緩させ、血圧を適度に低下させます。
この医薬品の服用により、次のような副作用が現れることがあります:
・一般的な副作用(10%以上):ほてり
・稀に発生する副作用(0.1%~1%未満):動悸、頻脈、高血圧
・ごく稀に発生する副作用(0.1%未満):心房細動
この医薬品の心臓への影響については、「バイアグラと心臓」の記事で詳しくご紹介しています。
慢性的な心臓病を患っている患者は医師に相談する必要があります。性行為の再開はそれ自体が体への重大な負担となるため、専門医はそのリスクを考慮に入れ服用が可能かどうか判断します。
目の副作用
バイアグラは全体の0.1~1%の頻度で目に副作用があらわれる場合があります。
まれな副作用(1%未満の場合):目の充血、結膜炎、視力低下など
ごくまれな副作用(症例の0.1%未満の場合):乾燥、羞明、目の痛み、涙目の増加
多くの場合、目の充血は薬の効果が作用し始めたことを意味します。
バイアグラよって引き起こされる目の充血や視覚器官への他の副作用は、服用後5時間ほどしてから自然に解消していくでしょう。得に専門医に相談する必要はなく、深刻な不快感をもたらすことはありません。シルデナフィルの服用により、網膜や目の他の部位への長期的な影響は確認されていません[5]。
バイアグラの目への副作用は、非動脈性前部虚血性視神経症(NAION)などの視覚器官の持病をすでに患っている男性に発生しやすいことに注意する必要があります。NAIONと診断されている患者は医師にご相談ください、医師は目に影響が少ないお薬を処方するでしょう。
統計:
2018年の推計によると、世界で約22億人の人々が何らかの形で視覚障害を患っていることを示しています。そのほとんどが50歳以上の高齢者です[6]。
WHO(世界保健機関)2019年
バイアグラと感度
男性が気にしていることは、バイアグラを服用することでペニスの感度が鈍ってしまうのではないかということでしょう。 バイアグラによる一時的、または永続的な感度の低下は、バイアグラ50mgなどの勃起不全治療薬の副作用の中には含まれていません。より詳しい情報は「レビトラの副作用」をご参照ください。
感度が鈍くなる現象は無オルガスム症の症状の一つである可能性があります。この症状はバイアグラにみられる非常に稀な副作用で、十分な性的刺激を受けてもオルガズムが得られない症状を意味します。滅多に発生しない副作用であり、発生率は1%未満だとされています。
バイアグラとうつ病
シルデナフィルは中枢神経系や脳の働きに影響を与えないため、精神的なうつ病はバイアグラの副作用の中には含まれていません。バイアグラ錠を製造するファイザーによると、この副作用の発生率は0.1%以下であり非常に稀だと記しています。また、いくつかの国ではバイアグラを服用してうつ病の副作用が発生する数は実質的にゼロである場合もあります。例えば、オーストラリアやイギリスなどの国が挙げられます。
数週間ほど気分が落ち込む状態を感じた場合は、すぐに専門の医師またはカウンセラーに相談されることをお勧めします。ほとんどの場合、うつの症状はお薬の服用とは関係がなく、精神的な疾患の症状である可能性があります。うつ病を克服するためには、心理療法士または精神科医に受診し、適切な治療を受けると良いでしょう。
バイアグラと腎臓
バイアグラの腎臓への影響は軽度だとされています。シルデナフィルは13%しか腎臓から代謝され、排泄されないからです。
腎臓のクレアチニン値が30ml/min未満の慢性腎不全の方はこのお薬を服用することができません。すべての禁忌についての詳細は、「バイアグラの併用禁忌薬」の記事をご参照ください。
日本の専門家は、腎臓透析療法を受けている患者でも、この薬が生活の質や性的満足度を向上させることができることを立証する研究結果を発表しています[7]。この研究において、治療効果があらわれる率は83.3%でした(糖尿病の診断がないことが条件)。
その他のバイアグラの副作用
男性が気になるその他のバイアグラの副作用について簡単に説明しましょう。バイアグラの副作用が発生する時間は数時間ほどで、ほとんどの場合健康に害を与えることなく、バイアグラの作用時間が過ぎると治まっていきます。
バイアグラの使用による眠気は実質的に発生しません。バイアグラ錠を使用した後に車の運転が公式に禁止されていないのはそのためです。眠気の原因は、ストレスと慢性的な疲労の両方が考えられます。
バイアグラの厄介な副作用の一つに、発汗が挙げられます。この状態でセックスをするのは非常に気まずいものです。しかし、心配する必要はありません、発汗はこの薬を服用してあらわれる非常に稀な副作用となっています。強い興奮などによって発生することがあります。
バイアグラのもう一つの珍しい副作用は吐き気です。一般的に、吐き気はお薬の有効成分に身体の個々器官が反応することによって発生し、大きな不快感を与えずに副作用は自然に治まっていきます。
副作用 | 副作用の頻度 |
---|---|
吐き気 | 8% |
発汗 | 0.98% |
眠気 | 0.80% |
聴覚の低下 | 0.75% |
喉の渇き、ドライマウス | 0.64% |
バイアグラの過剰摂取
バイアグラを過剰に服用した場合の副作用は、低用量であらわれる副作用と似ています。過剰摂取をすると副作用の頻度と重症度が増加します。ある研究で被験者にバイアグラ800 mgを単回で摂取させた場合に、以下のような副作用が発生しました。
バイアグラを過剰摂取した場合、大量の水を飲み、胃の内容物を吐き出すことをおすすめします。気分が改善しない場合は医師に助けを求めてください。海外では吸着剤を服用することで過剰摂取した薬物を取除する方法を使用する場合もあります。
バイアグラの過剰摂取による事件例
「シルデナフィル100mgを65錠一度に摂取した56歳の男性の症例が報告されています。吐き気、嘔吐、および視力障害を伴う副作用が発生し、病院に搬送され医師による治療を受けることになりました。その後、完全に回復するためには長期療法が必要となりました[8]。」
まとめ
バイアグラ錠を服用して副作用を経験した場合でも、心配する必要はありません。シルデナフィルの副作用の身体への影響のほとんどは穏やかで一時的なものです。
通常、副作用の持続時間はお薬の効果持続時間が過ぎると自然に解消していきます。頭痛を含む副作用は、医師の助けを必要とせず、治まっていくでしょう。
バイアグラの副作用の持続時間が12時間を超える場合は、医療機関に連絡し医師に助けを求めてください。